バスケットボール男子日本代表強化試合2010 in 宇都宮 トーマスウィスマン男子日本代表ヘッドコーチ就任記念試合

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大会レポート

DAY5:7/27(火)須賀川大会 日本代表vsレバノン代表 第3戦

写真 「(財)日本バスケットボール協会創立80 周年記念/スカイ・A開局20 周年記念 バスケットボール男子日本代表国際親善試合2010」はいよいよ最終戦。1勝1敗で迎えた第3戦の開催地は須賀川アリーナ。夏の日差しの暑い中、さらに天気の移り変わりが激しく途中、雨にも見舞われる中、多くのファンが早くから会場へ訪れて日本代表を応援してくれた。今大会唯一の平日開催ナイトゲームにも関わらず、お揃いのバスケ部チームウェアを着た子供たちが多くいた。
エスコートキッズは日本代表とレバノン代表の選手に一人ずつ手をつないで入場してくる。当日まで誰に当たるかは分からないが、日本代表選手はもちろん、レバノン代表選手も積極的に子供たちに話しかける。会話を楽しむことで、子供たちも気持ちが落ち着き、胸を張ってコートの上を歩く。そして、試合が始まり観客席に着くと「アリー」と一緒に入場した選手の名前を呼ぶ。小さな国際交流が生まれていた。


写真 勝ち越して終えたい両チームの気合いがみなぎる中、最終戦は幕を開けた。今大会のキープレイヤーとも言える木下選手が自らジャンプシュートを決め、広瀬選手へのノールックパスでアシストも決める。ディフェンスも機能し、青野選手のブロックショットで相手の攻撃を封じ、網野選手は3Pシュートを決めると点差が開く。第1ピリオドは24-16、8点リードで上々の滑り出し。
しかし、レバノンが早くもエネルギッシュに巻き返しを図る。点取屋ブローマン選手が3本のバスケットカウントで一気に点差を詰め、そしてダンクシュートで逆転。第2ピリオドだけで12得点を挙げたブローマン選手の活躍が光り、42-43で前半終了。
今大会、第3ピリオドはいつも日本にとっては厳しい時間帯となる。第1戦、第2戦ともにこのピリオドだけで7点差をつけられて、この日は24-12とダブルスコア。試合の方も54-67、13点差となり最終ピリオドへ。
逆に第4ピリオドに日本が粘り強い戦いをするのも今大会を通じて見えたパターン。「自分が得点を獲りにいかないともっと離される」と思いゴールに向かう山田選手。レバノンのチームファウルは5つ。強気なプレイで3連続ポイント、さらに網野選手の速攻からのシュートは相手に潰されながらもねじ込み67-76、残り5分を切ったところで点差を一桁にした。過去2試合同様に追い上げクロスゲームな展開を期待したが、レバノンがしっかりと対応し、追いつかせることなく80-93で日本は敗れた。通算成績は1勝2敗。

写真 終盤に流れを変えるべく果敢に攻めた山田選手は、「(仕掛けるのが)ちょっと遅かったですね。オフェンスリバウンドはずっと相手に獲られてしまいました。自分からもっとぶつかって行って、相手を飛ばせないような練習をしていかないといけません。得点を狙うことは常に意識していますし、攻めていきたいと思っています。
チームの雰囲気はまとまって来ています。体調不良で何人か抜けたこともありましたが、ひとつひとつ積み重ねていき、もっと良いチームにしていきたいです。若手も遠慮することなくガツガツとやって来ますので、良い刺激にもなっています」と試合を通じて見えた感想を残した。 永山選手は「しっかりディフェンスができ、リバウンドが獲れた時は自分たちが目指すトランジションの速いバスケットができていました。セカンドチャンスを与えすぎてしまいましたので、そこは今後の課題でもあります。3試合を通して、リバウンドで負けてしまいました。体格が劣っているのは分かっていますので、もっともっと早め早めに対処し、ボディチェックしていかないといけません。意識している時はできていますが、やはり習慣づけていき1試合通してできるようにしていきたいです」と、キャプテンとして総括した。

写真 レバノン代表のボールドウィンヘッドコーチは日本との戦いの中で気になった選手の名前を二人挙げた。「日本の良い選手は川村選手と網野選手。川村選手は世界のどこでプレイしても通用すると思います。網野選手はコーチだったら誰でも欲しいほど、全てのプレイができる選手。この2人がいる日本はまだまだ強くなるでしょう」。そして最後に「日本ではこれ以上ない歓迎を受けているとチーム全員が感じています。今度、皆さんがレバノンに来る時は同じように歓迎したいです」と感謝の言葉を述べ、レバノン代表は日本を後にした。

歓迎してもらえるチャンスはすぐに来る。
日本代表の次なる戦いは8/7(土)〜15(日)にレバノンで開催される「スタンコビッチカップ」。10チームが参加し、日本はチャイニーズ・タイペイ、イラン、イラク、カザフスタンと同組のグループA。日本はアジアの強豪国としての復権を目指すとともに、来年開催されるロンドンオリンピックの予選を兼ねたFIBAアジア選手権の出場権獲得を目指す。
「ジョーンズカップから、『アジアで戦えるところを見せていこう』と言う意気込みで戦ってきました。スタンコビッチカップでも日本が強いというところをしっかりと見せていきたいです」と永山キャプテン。
ウィスマンヘッドコーチも「この経験を糧にスタンコビッチカップに向けて、より良いチーム作りをしていきます」と語り、国際親善試合は終わったが、まだまだ男子日本代表の強化は終わらない。